奈良市西部地域及び生駒市においても、近年、高齢者夫婦あるいは高齢者単身の世帯を狙った悪質な訪問販売あるいは電話勧誘販売による被害が激増しています。そうであるにも拘わらず、その被害の回復や予防措置がほとんど全く為されていないことは大変憂慮すべきことです。
高齢者問題研究会は、この地域で業務を行う弁護士、税理士、司法書士、行政書士その他の専門家が、それぞれの専門家の立場から、この地域を高齢者が安心して住むことのできる場所とするために、何ができるか、いかなる行動を起こすべきかを研究し、実行しようとするものです。
もちろん、身体的精神的な衰えにより日常生活にまで支障を来している世帯に対しては、市役所、包括支援センターあるいは民生委員の人々が積極的に働きかけをしており、その結果、必要な要介護認定を得て適切な介護サービスを受けられている世帯も多いですが、かかる支援を必要とする世帯があまりにも急速に増えているため、これらの人々による努力だけではとても間に合わない状況にあると思います。また、日常生活にはさほど支障がないが、悪質な訪問販売あるいは電話勧誘販売による被害を避けることが困難な世帯に対する予防や被害回復などには全く手が回っていないというのが現状ではないでしょうか。
そこで、我々は、ボランティアではなく事業としてではありますが、高齢者の生活を守るのに役に立つ「利用しやすいサービス」を、いかに安く実効性のある形で提供できるか等を研究しています。この地域において一定の体制ができあがってくれば、若い専門家をこの地域に呼ぶことができ、そうすれば、少しでも、安全で住みやすい町づくりに貢献できるのではないかと考えております。