認知症の母と家族の生活

  「 認知症の母と家族の生活 」は、認知症になった母(春美)、同居する父及び、少し離れたところに住んでいる息子(まさと)という設定で、認知症の家族をもつ人々が具体的にはどのような生活を送っているのか、その一例を示そうとする架空の物語です。
 なぜ、これを書こうと思ったかというと、一方で、家族の外から見える「認知症の人とその家族の生活」はほんの一部であり、高齢者を支援する専門家にも知り得ない家族の悩みは相当多く、そのことを明らかにしたかったからであり、他方で、認知症の家族をもつ人々の中には、どうせわかってもらえないと最初から諦めてしまい、他人に助けを求めずに頑張りすぎた結果、自らもまた心を病んでしまうという人々がとても多いので、その人たちに、勇気を持って他人に助けを求めてほしいと思ったからです。

 総ての人に認知症に対する理解を深めていただき、その上で、認知症になっても安心して暮らせる世の中の仕組みをみんなで見つけだし、実現したいと考えています。